今回のデジタル展示は、平成27(2015)年度に開催した資料展の内容を、WEB公開したものです。
当館を代表する郷土文書である「摂津国八部郡花熊村村上家文書」(「村上家文書」)にスポットを当てて紹介します。神戸といえば「みなとまち」のイメージが強いですが、近世の神戸には農村的な営みも行われてきました。また、神戸は海と山が近いため、海とともに山の恩恵も享受してきました。しかし、神戸市域の様相は慶応3(1867)年の神戸港開港により一変してしまい、近世以前の様子を示す遺物は多くありません。そのなかで近世の神戸の姿を書き記す村上家文書は貴重な歴史資料といえます。本資料展を通じて、近世神戸の一側面に触れていただければと存じます。
「村上家文書」とは
花熊村の庄屋を務めた村上家に残された文書です。総点数5,742 点で文禄3(1594)年から明治21(1888)年までの文書から成り、花熊村の村政に関わる史料を多く含んでいます。