寸法

182.1×256.7cm
仕上がりサイズ183.5×257.3cm

裏打ち紙

有り

厚み

0.17~0.18mm(本紙のみ:0.09~0.10mm)

pH値

6.13~7.14(4箇所測定:平均6.68)

本紙の繊維


繊維分析の写真
[繊維分析の写真]

概要

仕様書に基づき、修復前写真撮影、状態記録作業を行い、開被及び解体作業を行った。
修復前写真
修復前写真 修復前写真
修復前写真 修復前写真
[修復前写真]
(画像をクリックすると大きい画像が表示されます)

採寸、紙の厚みの計測、pH値測定、繊維組成分析などのデータ採取を行った。
彩色のすべての色材について、色落ちテストを行った。
裏打ち除去、破片戻し、絵の具層の強化、剥落止めを行い、分割、クリーニングを行った。
リーフキャスティングによる修復、和紙による裏打ち、継ぎ直しなどを行った。

状態

絵図の表面が外側になるように折り畳まれていた。
水漏れによる被害が深刻で多くの部分が固着して崩れていた。
欠損部分は絵図の下半分、縦の折筋に沿って目立つ。
本紙裏面に表題(大部分は欠損)が貼られていた。
村名の書かれている赤、青の楕円状の絵の具層は、厚塗りされているためかその多くに、ひび割れ、剥離といった症状が見られた。
折り、曲げ、といった負担により今後もさらに悪化する恐れがある。

作業

裏打ち紙を取り除き、慎重にクリーニングを行い、図柄の多くが4A―46と類似じていたため、それを手がかりに可能な限り破片を戻した。
リーフキャスティングによる修復を行い、黴部分は消毒用エタノールで処置した。
絵の具の剥離止めとして膠をテストしてみたが、良好な結果が得られず、顔料を固めるために使用されているクルーセルG(ヒドロキシプロピルセルロース)2%エタノール溶液を使用した。
美濃産楮紙(3匁)を使用して裏打ちを行い、継ぎ合わせを行った。
本紙裏打ち部分の表題はリーフキャスティングによる修復を行い、裏面の元の位置に貼り戻した。

修復後の資料の画像を見る