Roberts, John著?, 1615.
「ステープル・システムか会社組織か」の経済的論争がミルスとホイラーの文献を生み出したことは前述したが、その後、東インド会社(株式会社制)が設立された際、「遠距離貿易では、マーチャント・アドヴェンチュラース会社と東インド会社はどちらが適正業者か?」と言う論争に発展した。著者は1613年東インド会社の最大の商船「Trades Increase」号が難破したことから両者の得失を論じ、前者の利益を認める一方で東インド会社の弱点を指摘し、さらに東インド会社が営む貿易がイギリスの海上権に不利益をもたらすことを痛烈に非難している。
(社会科学系図書館(5-3-1841) 登録番号38378 昭和3年4月19日受入)
参考文献 : 南 諭造 「古版経済書管見」(神戸商大新聞 昭和10年3月20日号)