鈴木商店商報・鈴木商報


鈴木商店は神戸居留地の個人商店から出発し、三井・三菱とならぶ総合商社となりましたが、1918年(大正7年)の米騒動による鈴木商店焼き討ち事件を経て、1927年(昭和2年)金融恐慌の中で倒産に至りました。

デジタルアーカイブで公開するのは1910年(明治43年)から1916年(大正5年)末までの『鈴木商店商報』『鈴木商報』で、これは鈴木商店が「洋糖引取商」から出発し、「総合商社の源流(ルーツ)」として事業を多角化していった明治末から、1917年(大正6年)三井物産の年商を凌いで日本一の商社となる直前の時期にあたります。内容は砂糖相場を中心に、商況解説・海外通信・紀行文・論文なども含み、鈴木商店の資料が散逸してしまっている中にあって、短い期間ではありますがまとまった量が保存されている点で、貴重な資料と言えます。(2009年8月公開)

参考

1. 桂芳男『幻の総合商社鈴木商店』(現代教養文庫)社会思想社 1989
2. 『近代神戸の足跡-神戸大学附属図書館所蔵資料から 4.多様な産業の盛衰 鈴木商店と関連産業』(展示会資料) 2005
3. 『近代神戸の源流を訪ねて-鈴木商店とマッチ産業の盛衰-』(展示会資料) 2008