神戸大学の室に関する要項

(令和3年6月29日制定)

第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要項は,国立大学法人神戸大学学則(平成16年4月1日制定)第18条第2項の規定に基づき,学長の下に置く室の組織及び運営に関し必要な事項を定めるものとする。
(室の設置)
第2条 学長の下に次の室を置く。
(1) 大学文書史料室
(2) 利益相反マネジメント室

第2章 大学文書史料室
(目的)
第3条 大学文書史料室は,特定歴史公文書等(公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第7項に規定する特定歴史公文書等のうち,大学文書史料室に移管され,又は寄贈され,若しくは寄託されたものをいう。)その他本学の歴史に係る資料を保存するとともに,一般の利用に供することを目的とする。
(業務)
第4条 大学文書史料室は,次に掲げる業務を行う。
(1) 特定歴史公文書等その他史料の保存に関すること。
(2) 特定歴史公文書等その他史料の利用に関すること。
(3) 特定歴史公文書等その他史料の調査研究に関すること。
(4) その他前条の目的を達成するために必要なこと。
(組織)
第5条 大学文書史料室は,室長及び室員をもって組織する。
2 前項の室員のほか,必要に応じて協力職員を置くことができる。
3 協力職員は,学長が委嘱する。
(室長)
第6条 室長は,学長が指名する教授をもって充てる。
2 室長の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,その任期の末日は,当該室長を任命する学長の任期の末日以前とする。
3 室長は,大学文書史料室の業務を掌理する。
(室員)
第7条 室員は,学長が命ずる。
(運営委員会)
第8条 大学文書史料室に,大学文書史料室の運営に関する事項を審議するため,運営委員会を置く。
2 運営委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,別に定める。
(事務)
第9条 大学文書史料室の事務は,附属図書館情報管理課において処理する。
(雑則)
第10条 この章に規定するもののほか,大学文書史料室の運営に関し必要な事項は,運営委員会が別に定める。

第3章 利益相反マネジメント室(略) 

附 則
1 この要項は,令和3年7月1日から施行する。
2 神戸大学の室に関する要項(平成28年10月25日制定)は,廃止する。

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神戸大学大学文書史料室運営委員会細則

(平成30年3月30日制定)
 改正  平成31年3月29日
 改正  令和3年6月29日

(趣旨)
第1条 この細則は,神戸大学の室に関する要項(令和3年6月29日制定)第8条の規定に基づき,神戸大学大学文書史料室運営委員会(以下「運営委員会」という。)の組織及び運営に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第2条 この細則において「特定歴史公文書等」とは,公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第7項に規定する特定歴史公文書等のうち,神戸大学大学文書史料室(以下「室」という。)に移管され,又は寄贈され,若しくは寄託されたものをいう。

(審議事項)
第3条 運営委員会は,室に係る次の各号に掲げる事項について審議する。
(1) 特定歴史公文書等の保存及び利用に関すること。
(2) 管理運営の基本方針に関すること。
(3) 事業計画に関すること。
(4) その他管理運営に関すること。

(組織)
第4条 運営委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 室長
(2) 室員
(3) 総務部長
(4) 附属図書館事務部長
(5) その他室長が必要と認めた者
2 委員は,学長が任命する。
3 第1項第5号に掲げる委員の任期は,2年とし,再任を妨げない。ただし,欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

(委員長)
第5条 運営委員会に委員長を置き,室長をもって充てる。
2 委員長は,運営委員会を招集し,その議長となる。
3 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長の指名する委員がその職務を代行する。

(議事)
第6条 委員会は,委員の3分の2以上が出席しなければ,議事を開き,議決をすることができない。
2 委員にやむを得ない理由があるときは,代理者を出席させることができる。この場合において,代理者は委員とみなす。
3 議事は,出席した委員の過半数の賛成をもって決し,可否同数の時は,委員長の決するところによる。

(委員以外の者の出席)
第7条 委員長は,運営委員会に諮り,委員以外の者を運営委員会に出席させ,その意見を聴くことができる。

(専門委員会)
第8条 運営委員会に,専門の事項を調査審議させるため,専門委員会を置くことができる。
2 専門委員会に関する事項は,運営委員会が別に定める。

(事務)
第9条 運営委員会の事務は,附属図書館情報管理課において行う。

(雑則)
第10条 この細則に定めるもののほか,運営委員会の運営に関し必要な事項は,運営委員会が定める。

附 則
 この細則は,平成30年4月1日から施行する。

附 則(平成31年3月29日)
 この細則は,平成31年4月1日から施行する。

附 則(令和3年6月29日)
 この細則は,令和3年7月1日から施行する。

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神戸大学大学文書史料室利用等要項

(平成30年3月30日制定)
 改正  平成30年9月26日
 令和元年6月28日
 令和3年1月7日
 令和3年7月30日
 令和4年3月30日

目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 保存等
第1節 受入れ(第3条-第5条)
第2節 保存(第6条-第9条)
第3章 利用
第1節 利用の請求(第10条-第21条)
第2節 利用の促進(第22条-第26条)
第3節 移管元部局等の利用(第27条)
第4節 利用時間及び休室日(第28条)
第4章 廃棄(第29条)
第5章 研修(第30条)
第6章 雑則(第31条-第34条)
附則

第1章 総則
(目的)
第1条 この要項は,公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下「法」という。)に基づき,神戸大学大学文書史料室(以下「室」という。)が保存する特定歴史公文書等の保存,利用及び廃棄について必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)
第2条 この要項において「特定歴史公文書等」とは,法第2条第7項に規定する特定歴史公文書等のうち,室に移管され,又は寄贈され,若しくは寄託されたもの及び法の施行の際,現に室が保存する歴史公文書等(現用のものを除く。)をいう。

第2章 保存等
第1節 受入れ
(本学からの受入れ)
第3条 室は,国立大学法人神戸大学(以下「本学」という。)で保存する歴史公文書等(法第2条第6項に定める歴史公文書等をいう。以下同じ。)として,保存期間が満了したときに室に移管する措置が設定されたものについて,保存期間が満了した日から可能な限り早い時期に受入れの日を設定し,当該歴史公文書等を受け入れるものとする。
2 室は,前項の規定に基づき受け入れた特定歴史公文書等について,次の各号に掲げる措置を施した上で,原則として受入れから1年以内に排架を行うものとする。
(1) 生物被害への対処その他の保存に必要な措置
(2) 識別を容易にするために必要な番号等(以下「識別番号」という。)の付与
(3) 第11条第1項第1号に掲げる利用制限事由(以下「利用制限事由」という。)の該当性に関する事前審査
(4) 第9条第1項に定める目録の作成
3 室は,特定歴史公文書等の利用が円滑に行われるようにするため,前項第3号に規定する事前審査の方針を定めるものとする。

(寄贈・寄託された文書の受入れ)
第4条 室は,法人その他の団体(国及び独立行政法人等を除く。以下「法人等」という。)又は個人から特定の文書を寄贈又は寄託する旨の申出があった場合,当該文書が歴史公文書等に該当すると判断する場合には,当該文書を受け入れるものとする。
2 室は,前項の規定に基づき受け入れた特定歴史公文書等について,寄贈又は寄託をした者の希望に応じ,利用の制限を行う範囲及びこれが適用される期間を定めた上で,次の各号に掲げる措置を施し,原則として受入れから1年以内に排架を行うものとする。
(1) 第3条第2項第1号に定める措置
(2) 第3条第2項第2号に定める識別番号の付与
(3) 第9条第1項に定める目録の作成

(著作権等の調整)
第5条 室は,第3条又は第4条の規定に基づき受け入れた特定歴史公文書等に著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「著作物等」という。)が含まれている場合は,当該著作物等について,必要に応じて,あらかじめ著作者,著作権者,実演家又は著作隣接権者から著作者人格権,著作権,実演家人格権又は著作隣接権についての利用等の許諾や同意を得ること等により,当該特定歴史公文書等の円滑な利用に備えるものとする。

第2節 保存
(保存方法等)
第6条 室は,特定歴史公文書等について,第29条の規定に基づき廃棄されるに至る場合を除き,専用の書庫(以下「書庫」という。)において永久に保存するものとする。
2 室は,前項に定める書庫について,温度,湿度,照度等を適切に管理するとともに,防犯,防災,防虫等のための適切な措置を講ずるものとする。
3 室は,特定歴史公文書等のうち電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)については,その種別を勘案し,当該特定歴史公文書等を利用できるようにするために媒体変換その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 室は,特定歴史公文書等について,第3条第2項第2号及び第4条第2項第2号に定めた識別番号を付するものとする。

(複製物)
第7条 室は,特定歴史公文書等について,それぞれの特定歴史公文書等の内容,保存状態,時の経過,利用の状況等に応じ,適切な保存及び利用を確保するため,複製物作成計画を定めた上で,適切な記録媒体による複製物を作成するものとする。

(個人情報漏えい防止のために必要な措置)
第8条 室は,特定歴史公文書等に個人情報(生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)が記録されている場合には,法第15条第3項に基づき,当該個人情報の漏えいの防止のため,次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 書庫の施錠その他の物理的な接触の制限
(2) 当該特定歴史公文書等に記録されている個人情報に対する不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第2条第4項に規定する不正アクセス行為をいう。)を防止するために必要な措置
(3) 室の職員に対する教育・研修の実施
(4) その他必要な措置

(目録の作成及び公表)
第9条 室は,特定歴史公文書等に関して,次の各号に掲げる事項について1つの集合物ごとに記載した目録を作成する。
(1) 分類及び名称
(2) 作成部局等
(3) 作成年月日
(4) 受入方法(移管,寄贈又は寄託のいずれかを記載のこと)
(5) 移管又は寄贈若しくは寄託をした者の名称又は氏名
(6) 移管又は寄贈若しくは寄託を受けた時期
(7) 保存場所
(8) 媒体の種別
(9) 識別番号
(10) インターネットで利用することができるデジタル画像等の存否
(11) 利用制限の区分(全部利用可,一部利用不可,利用不可又は要審査のいずれかを記載のこと)
(12) その他適切な保存及び利用に資する情報
2 室は,前項に規定する目録の記載に当たっては,法第16条第1項第2号イ若しくはロに掲げる情報又は同項第4号の条件に係る情報は記載しないものとする。
3 室は,第1項に規定する目録を室に備えて一般の閲覧に供するとともに,インターネットの利用等により公表しなければならない。

第3章 利用
第1節 利用の請求
(利用請求の手続)
第10条 室は,法第16条の規定に基づき,特定歴史公文書等について利用の請求(以下「利用請求」という。)をしようとする者に対し,次の各号に掲げる事項を記載した利用請求書の提出を求めるものとする。
(1) 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名
(2) 利用請求に係る特定歴史公文書等の識別番号及び目録に記載された名称
(3) 希望する利用の方法(※任意)
(4) 前号で写しの交付による利用を希望する場合は,第19条第2項に定める写しの作成方法,写しを作成する範囲及び部数,写しの交付の方法(※任意)
2 室は,利用請求の円滑化及び効率化を図るため,利用請求書の標準様式等を作成し,閲覧室に備えておくとともに,インターネットの利用等により公表する。
3 第1項の提出の方法は,次の各号のいずれかによる。この場合,第2号の方法において必要な送料は,利用請求をする者が負担するものとする。
(1) 閲覧室の受付に提出する方法
(2) 室に郵送等する方法
(3) 情報通信技術を用いて室に送信する方法
4 前項第2号及び第3号に定める方法による利用請求については,利用請求書が室に到達した時点で請求がなされたものとみなす。
5 室は,利用請求書に形式上の不備があると認めるときは,利用請求をした者(以下「利用請求者」という。)に対し,相当の期間を定めて,その補正を求めることができる。

(利用請求の取扱い)
第11条 室は,特定歴史公文書等について前条に定める利用請求があった場合には,次に掲げる場合を除き,これを利用させなければならない。
(1) 当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
イ 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第5条第1号に掲げる情報
ロ 独立行政法人等情報公開法第5条第2号又は第4号イからハまで若しくはトに掲げる情報
(2) 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され,又は寄託されたものであって,当該期間が経過していない場合
(3) 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくは汚損を生ずるおそれがある場合又は当該原本が現に使用されている場合
2 室は,利用請求に係る特定歴史公文書等が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては,当該特定歴史公文書等が法人文書として作成又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに,当該特定歴史公文書等に法第11条第5項の規定による意見が付されている場合には,当該意見を参酌しなければならない。
3 室は,前項において時の経過を考慮するに当たっては,利用制限は原則として作成又は取得されてから30年を超えないとする考え方を踏まえるものとする。

(部分利用)
第12条 室は,前条第1項第1号又は第2号に掲げる場合であっても,同条第1項第1号に掲げる情報又は第1項第2号の条件に係る情報(以下「利用制限情報」という。)が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,利用請求者に対し,当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。
2 前項に規定する区分は,次の各号に掲げる特定歴史公文書等の種類に応じ,当該各号に掲げる方法により行う。
(1) 文書又は図画 当該特定歴史公文書等の写しを作成し,当該写しに記載されている利用制限情報を黒塗りする方法(ただし,利用請求者の同意があれば,利用制限情報が記載されている範囲を被覆する方法によることを妨げない。)
(2) 電磁的記録 当該記録の写しを作成し,当該写しに記載されている利用制限情報を消除する方法

(本人情報の取扱い)
第13条 室は,第11条第1項第1号イに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から,当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において,次の各号のいずれかに掲げる書類の提示又は提出があったときは,本人の生命,健康,生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き,当該特定歴史公文書等につき当該情報が記録されている部分についても,利用させなければならない。
(1) 利用請求をする者の氏名及び住所又は居所と同一の情報が記載されている運転免許証,健康保険の被保険者証,行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カード,出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第19条の3に規定する在留カード,日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)第7条第1項に規定する特別永住者証明書その他法律又はこれに基づく命令の規定により交付された書類であって,当該利用請求をする者が本人であることを確認するに足りるもの
(2) 前号に掲げる書類をやむを得ない理由により提示し,又は提出することができない場合にあっては,当該利用請求をする者が本人であることを確認するため室が適当と認める書類
2 第10条第3項第2号又は第3号に定める方法により利用請求をする場合には,前項の規定にかかわらず,当該利用請求者は前項第1号及び第2号に掲げる書類のいずれかを複写機により複写したもの及びその者の住民票の写しその他のその者が当該複写したものに記載された本人であることを示すものとして室が適当と認める書類(利用請求をする日前30日以内に作成されたものに限る。)を室に提出すれば足りる。

(第三者に対する意見提出機会の付与等)
第14条 室は,利用請求に係る特定歴史公文書等に国,独立行政法人等,地方公共団体,地方独立行政法人及び利用請求者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合には,当該特定歴史公文書等を利用させるか否かについての決定をするに当たって,当該情報に係る第三者に対し,次の各号に掲げる事項を通知して,法第18条第1項に基づく意見書を提出する機会を与えることができる。
(1) 利用請求に係る特定歴史公文書等の名称
(2) 利用請求の年月日
(3) 利用請求に係る特定歴史公文書等に記録されている当該第三者に関する情報の内容
(4) 意見書を提出する場合の提出先及び提出期限
2 室は,第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等の利用をさせようとする場合であって,当該情報が独立行政法人等情報公開法第5条第1号ロ若しくは第2号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは,利用させる旨の決定に先立ち,当該第三者に対し,次の各号に掲げる事項を書面又は電子情報処理組織(室の使用に係る電子計算機と通知等を受ける者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用する方法により通知して,法第18条第2項に基づく意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし,当該第三者の所在が判明しない場合は,この限りでない。
(1) 利用請求に係る特定歴史公文書等の名称
(2) 利用請求の年月日
(3) 法第18条第2項の規定を適用する理由
(4) 利用請求に係る特定歴史公文書等に記録されている当該第三者に関する情報の内容
(5) 意見書を提出する場合の提出先及び提出期限
3 室は,第1項又は第2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において,当該特定歴史公文書等を利用させる旨の決定をするときは,その決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において,室は,その決定後直ちに,当該反対意見書を提出した第三者に対し,法第18条第4項の規定に基づき利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面又は電子情報処理組織を使用する方法により通知しなければならない。

(利用決定)
第15条 室は,利用請求があった場合は速やかに,これに係る処分についての決定(以下「利用決定」という。)をしなければならない。ただし,利用制限事由の存否に係る確認作業が必要な場合その他の時間を要する事情がある場合は,利用請求があった日から30日以内に利用決定をするものとする。この場合において,室が第10条第5項の規定により補正を求めたときは,当該補正に要した日数は,当該期間に算入しない。
2 利用決定においては,利用請求のあった特定歴史公文書等ごとに,次の各号に掲げる処分のいずれかを決定するものとする。
(1) 全部の利用を認めること(ただし法第19条ただし書の規定に基づき写しを閲覧させる方法を用いる場合にはその旨を明記すること。次号において同じ。)。
(2) 一部の利用を認めないこと。
(3) 全部の利用を認めないこと。
3 室は,利用決定に関し,事務処理上の困難その他正当な理由があるときは,第1項の規定にかかわらず,第1項ただし書に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において,室は,利用請求者に対し,遅滞なく,延長後の期間及び延長の理由を通知するものとする。
4 室は,利用請求に係る特定歴史公文書等が著しく大量であるため,利用請求があった日から60日以内にその全てについて利用決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には,第1項及び前項の規定にかかわらず,利用請求に係る特定歴史公文書等のうちの相当の部分につき当該期間内に利用決定をし,残りの部分については相当の期間内に利用決定をすることができる。この場合において,室は,利用請求があった日から30日以内(第10条第5項の規定による補正に要した日数を除く。)に,利用請求者に対し,次の各号に掲げる事項を書面又は電子情報処理組織を使用する方法により通知しなければならない。
(1) 本規定を適用する旨及び理由
(2) 残りの部分について利用決定をする期限

(利用決定の通知)
第16条 室は,利用決定をした場合,当該特定歴史公文書等の利用請求者に対して,次の各号に掲げる事項について記載した通知書(以下「利用決定通知書」という。)により決定の内容を通知しなければならない。
(1) 利用請求のあった特定歴史公文書等に関する処分の結果
(2) 利用請求書において請求した利用が認められない場合(法第19条ただし書の適用により原本の閲覧が認められない場合を含む。)はその理由
(3) 利用の方法
2 利用決定通知書には,利用請求者が利用の方法を申し出るための書類(以下「利用の方法申出書」という。)を添付しなければならない。
3 通知は,閲覧室で行うほか,利用請求者の求めに応じ,次の各号に掲げる方法により行うこともできる。この場合,第1号の方法において必要な送料は,利用請求者が負担するものとする。
(1) 利用決定通知書を利用請求者に郵送等する方法
(2) 情報通信技術を用いて利用決定通知書を利用請求者に送付する方法

(利用の方法)
第17条 特定歴史公文書等の利用は,文書又は図画については閲覧又は写しの交付の方法により,電磁的記録については次の各号に掲げる方法により行う。
(1) 当該電磁的記録を専用機器により再生又は映写したものの聴取,視聴又は閲覧
(2) 当該電磁的記録を用紙に出力したものの閲覧又は交付
(3) 当該電磁的記録を電磁的記録媒体に複写したものの交付
2 前項に規定する電磁的記録の利用の方法は,情報化の進展状況等を勘案して,利用者が利用しやすいものとする。
3 利用の方法は,利用請求者が利用請求書又は利用の方法申出書に利用の方法を記載し,室に提出することにより指定するものとする。
4 利用の方法申出書は,利用決定の通知があった日から30日以内での提出を求める。ただし,利用請求者において,当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは,この限りでない。
5 利用の方法申出書の提出の方法については,第10条第3項の規定を準用する。

(閲覧の方法等)
第18条 特定歴史公文書等の閲覧は,閲覧室で行うものとする。
2 閲覧室における特定歴史公文書等の利用に関しては,別に定めるところによる。

(写しの交付の方法等)
第19条 特定歴史公文書等の写しの交付は,当該特定歴史公文書等の全部について行うほか,その一部についても行うことができる。この場合において,室は,利用請求者に対し,具体的な範囲の特定を求める。
2 写しの交付は,次の各号に掲げる特定歴史公文書等の媒体について,当該各号に定めるものの中から室が指定した方法のうち,利用請求者の希望するものについて,利用請求者から部数の指定を受けた上で実施するものとする。
(1) 文書又は図画(第7条及び法第16条第3項の規定に基づく利用のために作成された複製物を含む。次号において同じ。)
イ 用紙に複写したもの
ロ スキャナ等により読み取ってできた電磁的記録
ハ スキャナ等により読み取ってできた電磁的記録を用紙に出力したもの
ニ スキャナ等により読み取ってできた電磁的記録を光ディスク(日本産業規格X0606及びX6281に適合する直径120ミリメートルの光ディスクの再生装置で再生することが可能なものに限る。)に複写したもの
ホ スキャナ等により読み取ってできた電磁的記録を光ディスク(日本産業規格X6241に適合する直径120ミリメートルの光ディスクの再生装置で再生することが可能なものに限る。)に複写したもの
(2) 電磁的記録
イ 用紙に出力したもの
ロ 電磁的記録として複写したもの
ハ 電磁的記録として複写したものを光ディスク(日本産業規格X0606及びX6281に適合する直径120ミリメートルの光ディスクの再生装置で再生することが可能なものに限る。)に複写したもの
ニ 電磁的記録として複写したものを光ディスク(日本産業規格X6241に適合する直径120ミリメートルの光ディスクの再生装置で再生することが可能なものに限る。)に複写したもの
3 室は,利用請求者より,写しの交付を行う範囲,方法及び部数の指定を受けた場合は速やかに料金表(別表)に基づき手数料額を算定し,当該料金を利用請求者に通知するものとする。
4 室は,次条に定める手数料の納付が確認されたのち,速やかに写しの交付を行うものとする。
5 写しの交付は,室において行うほか,利用請求者の求めに応じ,次の各号に掲げる方法により行うこともできる。この場合,第1号の方法において必要な送料は,利用請求者が負担するものとする。
(1) 郵便等を用いて利用請求者に送付する方法
(2) 情報通信技術を用いて利用請求者に送付する方法

(手数料等)
第20条 室は,利用請求者が写しの交付を受ける場合には,料金表に基づき算出した手数料の納入を,次の各号に定めるもののうち,室が指定する方法により受け取るものとする。
(1) 室において直接納入する方法
(2) 室に郵便書留で送付する方法
2 前項第2号の方法をとるための手続に必要な費用は,利用請求者が負担するものとする。
3 室は,料金表を閲覧室に常時備え付けるとともに,インターネットの利用等により公表する。

(審査請求)
第21条 国立大学法人神戸大学長(以下「学長」という。)は,法第21条第1項に基づく審査請求があったときは,次の各号のいずれかに該当する場合を除き,法第28条第1項に基づく公文書管理委員会(以下「公文書管理委員会」という。)に法第21条第4項に基づく諮問をしなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり,却下する場合
(2) 裁決で,審査請求の全部を認容し,当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとする場合(当該特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 学長は,前項の諮問をした場合は,次の各号に掲げる者に対し,諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人
(2) 利用請求者(利用請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る特定歴史公文書等の利用について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
3 第14条第3項の規定は,次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。
(1) 利用させる旨の決定に対する第三者からの審査請求を却下し,又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る利用請求に対する処分(利用請求に係る特定歴史公文書等を利用させる旨の決定を除く。)を変更し,当該審査請求に係る特定歴史公文書等を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示している場合に限る。)
4 学長は,公文書管理委員会から第1項の諮問に対する答申を受けた場合は,当該答申を踏まえ,遅滞なく裁決をしなければならない。

第2節 利用の促進
(簡便な方法による利用等)
第22条 室は,法第16条において利用が認められている特定歴史公文書等について,第1節に定める方法のほか,あらかじめ手続を定めた上で,簡便な方法(次項に定めるものを除く。)により利用に供するよう努めなければならない。
2 室は,特定歴史公文書等のデジタル画像等の情報をインターネットの利用により公開すること等の方法により,積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。

(展示会の開催等)
第23条 室は,年度ごとに計画を定めた上で,展示会の開催,室内の見学会その他の取組を行い,特定歴史公文書等の利用の促進に努めなければならない。

(特定歴史公文書等の貸出し)
第24条 室は,他の機関から学術研究,社会教育等の公共的目的を有する行事等において利用するために特定歴史公文書等の貸出しの申込みがあった場合,別に定めるところにより,当該特定歴史公文書等を貸し出すことができる。

(原本の特別利用)
第25条 室は,原本の利用を認めるとその保存に支障を生ずるおそれがある特定歴史公文書等について,複製物によっては利用目的を果たすことができない場合等原本による利用が必要と認められる場合は,別に定めるところにより,特に慎重な取扱いを確保した上で,当該原本の利用を希望する者に対し特別に原本を利用に供することができる。

(レファレンス)
第26条 室は,特定歴史公文書等の効果的な利用を確保するため,レファレンスを行うものとする。ただし,鑑定の依頼,文書の解読・翻訳,法律相談,学習課題の回答等,室の業務として情報提供することが適当でないと認められる場合はこの限りでない。
2 室は,閲覧室の開室時間中,口頭,電話,書面その他の方法により,レファレンスに係る利用を希望する者の申込みを受け付けることができる。

第3節 移管元部局等の利用
(移管元部局等の利用)
第27条 室は,移管元部局等が,法第24条に定める利用の特例の適用を求める場合は,当該利用請求者に対して身分証の提示及び移管元部局等利用請求書の提出を求める。
2 移管元部局等に属する利用請求者が室の外での閲覧を希望した場合,室は,第18条の規定にかかわらず,30日以内を限度として,その閲覧を認めることができる。

第4節 利用時間及び休室日
(室の開室)
第28条 室は,利用に関する業務を実施するため,次の各号に掲げる日を除き,毎日開室する。
(1) 日曜日
(2) 土曜日
(3) 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に定める休日
(4) 12月29日から翌年1月3日までの日(前3号に定める休日を除く。)
(5) その他大学が指定する休日
2 室は,前項の規定にかかわらず,特に必要がある場合には,臨時に開室し又は休室することができる。この場合には,室は,原則として開室又は休室の2週間前までにその旨及び理由を公表しなければならない。
3 室の利用時間は午前9時30分から午後5時までとし,利用請求の受付は午前9時30分から正午まで及び午後1時から午後4時までとする。ただし,特に必要がある場合には,臨時に変更することができる。この場合には,室は,事前にその旨及び理由を公表しなければならない。

第4章 廃棄
(特定歴史公文書等の廃棄)
第29条 室は,特定歴史公文書等として保存している文書について,劣化が極限まで進展して判読及び修復が不可能で利用できなくなり,歴史資料として重要でなくなったと認める場合には,内閣総理大臣に協議し,その同意を得て,当該特定歴史公文書等を廃棄することができる。
2 室は,前項の規定に基づき特定歴史公文書等の廃棄を行った場合には,廃棄に関する記録を作成し,公表するものとする。

第5章 研修
(研修の実施)
第30条 室は,その職員に対し,歴史公文書等を適切に保存し利用に供するために必要な専門的知識及び技能を習得させ並びに向上させるために必要な研修の機会を与えるものとする。室は,必要に応じて,その研修を行うこともできる。
2 室は,その職員以外の職員に対し,歴史公文書等の適切な保存及び移管を確保するために必要な知識及び技能を習得させ並びに向上させるために必要な研修の機会を与えるものとする。室は,必要に応じて,その研修を行うこともできる。
3 室は,第1項及び前項の研修を実施するときは,その必要性を把握し,その結果に基づいて研修計画を立てるものとする。
4 室は,第1項及び第2項の研修を実施したときは,歴史公文書等の適切な保存及び移管の改善に資するため,研修効果の把握に努めるものとする。

第6章 雑則
(保存及び利用の状況の報告)
第31条 室は,特定歴史公文書等の保存及び利用の状況について,毎年度,内閣総理大臣に報告しなければならない。
2 室は,前項に規定する報告のため,必要に応じて調査を実施するものとする。

(紛失等への対応)
第32条 室は,特定歴史公文書等の紛失,誤廃棄又は目録の重大な誤りが明らかとなった場合は,その旨を直ちに内閣総理大臣に報告しなければならない。
2 室は,速やかに被害の拡大防止等のために必要な措置を講ずるとともに,その講じた措置及び目録に必要な修正について,内閣総理大臣に報告しなければならない。
3 室は,前項の規定に基づき内閣総理大臣に報告した場合には,これを公表するものとする。

(利用等要項の備付等)
第33条 室は,本要項について,閲覧室に常時備え付けるほか,インターネットの利用等により公表するものとする。

(雑則)
第34条 この要項に定めるもののほか,この要項を実施するために必要な事項は室が定める。

附 則
 この要項は,平成30年4月1日から施行する。

附 則(平成30年9月26日)
 この要項は,平成30年10月1日から施行する。

附 則(令和元年6月28日)
 この要項は,令和元年7月1日から施行する。

附 則(令和3年1月7日)
 この要項は,令和3年1月7日から施行し,改正後の神戸大学大学文書史料室利用等要項の規定は,令和3年1月1日から適用する。

附 則(令和3年7月30日)
 この要項は,令和3年8月1日から施行する。

附 則(令和4年3月30日)
 この要項は,令和4年4月1日から施行する。

別表(料金表)  [pdf形式]

別紙様式

  •  様式第1号(特定歴史公文書等利用請求書) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第2号-1 第三者意見照会書(特定歴史公文書等の利用請求に関する意見について(照会)(第14条第1項及び法第18 条第1項関係)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第2号-2 第三者意見照会書(特定歴史公文書等の利用請求に関する意見について(照会)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第3号 第三者意見照会書(特定歴史公文書等の利用に関する意見書) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第4号(特定歴史公文書等の利用決定について(通知)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第5号(利用決定の期限の延長について(通知)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第6号(利用決定の期限の特例の適用について(通知)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第7号(特定歴史公文書等利用決定通知書) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第8号(特定歴史公文書等の利用の方法申出書) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第9号(諮問書) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第10号(公文書管理委員会への諮問について(通知)) [Word形式] [pdf形式]
  •  様式第11号(特定歴史公文書等の移管元部局等利用請求書) [Word形式] [pdf形式]
  •  全様式(第1号~第11号) [Word形式] [pdf形式]

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神戸大学大学文書史料室利用細則

(平成30年3月30日制定)
改正  平成30年9月28日
改正  令和3年6月3日

(目的)
第1条 この細則は,神戸大学大学文書史料室利用等要項(平成30年3月30日制定。以下「利用等要項」という。)に定めるもののほか,神戸大学大学文書史料室(以下「室」という。)が所蔵する特定歴史公文書等の利用について必要な事項を定めることを目的とする。

(閲覧室における利用)
第2条 利用者は,閲覧室において特定歴史公文書等を閲覧するときは,次に掲げる条件に従うものとする。
(1) 筆記用具以外の携帯品(カバン及びコート類を含む。)は,室が指定するロッカーに収納し,閲覧室に持ち込んではならない。ただし,調査のために必要な場合に限り,事前に室の職員(以下「室員」という。)の許可を得た上で,図書等必要最小限のものを持ち込むことができる。
(2) 閲覧室において喫煙又は飲食を行ってはならない。
(3) 特定歴史公文書等の破損(ページの入替え,抜き取り,折り曲げ,切り抜き,無理な開閉等をいう。)又は汚損(書き込み,書換え,消去等をいう。)を行ってはならない。
(4) その他,室員の指示に従うこと。

(利用者による撮影)
第3条 利用者は,閲覧室における特定歴史公文書等の閲覧に際して自らのカメラで撮影を行うことができる。この場合において,利用等要項第20条に定める手数料は適用しない。
2 利用者は,前項の撮影を行うときは,次に掲げる条件に従うものとする。
(1) 事前に撮影申込書(別紙様式第1号)を室の受付に提出すること。
(2) 撮影は,室員の指示に従って行うこと。撮影に当たり,特定歴史公文書等は丁寧に取り扱うこと。室員が,破損又は汚損が生じるおそれがあると判断した場合は,直ちに撮影を中止し,指示に従うこと。
(3) フラッシュを使用しないこと。照明を使う場合は,弱い光のものを使用すること。
(4) カメラを特定歴史公文書等に直接密着させないこと。
(5) 三脚等を使用する場合は,他の利用者の迷惑にならないよう注意すること。

(簡便な方法による利用)
第4条 室は,利用の促進を図るため,特定歴史公文書等(目録において利用制限の区分が全部利用可とされているものに限る。)について,利用等要項第22条第1項の規定に基づき,利用請求の手続きによらずに利用に供するよう努めなければならない。
2 前項の規定により特定歴史公文書等の閲覧を希望する者は,簡易閲覧申込書(別紙様式第2号)を室の受付に提出するものとする。なお,受付時間については利用等要項第28条第3項の利用請求の受付の場合と同様とする。
3 室は,簡易閲覧申込書が提出された場合は,原則として当日中に当該特定歴史公文書等を閲覧に供するものとする。

(貸出し)
第5条 利用等要項第24条に規定する特定歴史公文書等の貸出しは,次のいずれかの行事等に利用する場合に限り行うことができる。
 (1) 国,地方公共団体,大学,社会教育団体等の機関が公益上行う展示会その他行事
 (2) 学術研究機関が主催する学術調査
2 前項の規定にかかわらず,次に掲げる場合は,貸出しを行わないものとする。
 (1) 目録において当該特定歴史公文書等の利用制限の区分が,全部利用可以外の場合
 (2) 当該特定歴史公文書等が寄贈又は寄託を受けたものであって,貸出しを制限する特約が設けられている場合
 (3) 当該特定歴史公文書等が劣化又は損耗によって貸出しに耐えうる状態ではないと室が判断した場合
3 特定歴史公文書等の貸出しを受ける者(以下「貸出利用者」という。)は,次に掲げる条件に従うものとする。
(1) 特定歴史公文書等を利用する施設等は,次の各要件を満たしていること。
 イ 貸出利用者の属する組織において,防火及び防犯の管理体制ができていること。
 ロ 消防法(昭和23年法律第186号)第17条に規定する消防用設備等が設置されていること。
 ハ 施設全体の警備,資料保管用の金庫の保有など,貸出利用者が不在の場合の防犯対策が採られていること。
 ニ 展示等を行う場合の展示ケースは,施錠できるものであること。また,照明は紫外線除去等を配慮した美術品専用のものであること。
 ホ 塵埃,かび等の影響を受けない清浄な環境であること。また,温度及び湿度が適切に管理できる施設であること。
(2) 特定歴史公文書等の輸送に際し,破損,汚損及び紛失の防止に適切な措置を講じること。また,費用は貸出利用者が負担すること
(3) 特定歴史公文書等は丁寧に取り扱い,破損又は汚損が生じるおそれがある場合は,直ちに利用を中止すること。
(4) 特定歴史公文書等を展示する場合は,室が所蔵する特定歴史公文書等であることを表示すること。
(5) 特定歴史公文書等の複写を行う場合は,別途承認を受けること。
4 特定歴史公文書等の貸出しは,次の各号に定める手続きにより行うものとする。
(1) 貸出しを希望する者は,原則として行事の1箇月前までに貸出申込書(別紙様式第3号)を室に提出する。
(2) 室は,貸し出すことが適当であると認める場合は,貸出決定通知書(別紙様式第4号)により通知する。
(3) 特定歴史公文書等の引渡しは,室において室員が貸出利用者に直接手渡しすることにより行うことを原則とする。
(4) 貸出利用者は,特定歴史公文書等の引渡しを受ける際に,借用書(別紙様式第5号)を室に提出する。
(5) 特定歴史公文書等の返却は,室において貸出利用者が室員に直接手渡しすることにより行うことを原則とする。
(6) 室は,貸出利用者から特定歴史公文書等の返却を受けたときは,当該特定歴史公文書等について検査を行い,破損及び汚損がないことを確認した上で,返却受領書(別紙様式第6号)を貸出利用者に交付する。
5 特定歴史公文書等の貸出し冊数は,原則として10冊以内とする。
6 特定歴史公文書等の貸出し期間(輸送等に要する期間を含む。)は,原則として1箇月を超えないものとする。ただし,室が特に必要と認めたときは,おおむね2箇月を超えない範囲内において貸出し期間を延長することができる。
7 室は,貸出申込書の記載事項に反する事実が判明した場合は,貸出利用者に対して直ちにその是正のための措置を採ることを求めるものとし,求めた措置が採られない場合は,貸出し期間中であっても速やかに返却を命ずるものとする。

(原本の特別利用)
第6条 利用等要項第25条の規定に基づき特定歴史公文書等の原本(以下この条において,利用を認めるとその保存に支障を生ずるおそれがあるため利用が制限されているものを指す。)の特別利用を希望する者は,原則として利用を希望する日の1箇月前までに原本特別利用申込書(別紙様式第7号)を室に提出するものとする。
2 室は,原本の特別利用を認める場合は,原本特別利用決定通知書(別紙様式第8号)により通知するものとする。
3 利用者は,原本の特別利用を行うときは,次に掲げる条件に従うものとする。
  (1) 室の指定した日時に行うこと。
  (2) 閲覧室において行うこと。
  (3) 室員の立会いのもとに行い,必ずその指示に従うこと。

(出版物への掲載等)
第7条 室は,利用者が特定歴史公文書等の写し又は利用者自らが撮影したもの(以下「複写物」という。)を出版,放映,展示,ホームページ等に利用する場合においては,一切の手続きを課さない。ただし,利用者が出版等利用届(別紙様式第9号)の例により室に情報提供を行うことを妨げない。
2 複写物の利用により生じる著作権法上その他の責任は,利用者が負うものとする。

(入室の制限)
第8条 室は,他人に迷惑を及ぼした者又は及ぼすおそれのある者並びに特定歴史公文書等の破損若しくは汚損を生じさせた者又は生じさせるおそれのある者に対して,室の施設からの退室を命じることができる。
2 室は,この細則その他の規則に違反し,又は室員の指示に従わない者に対して,特定歴史公文書等の利用を停止することができる。

(賠償の責任)
第9条 利用者は,その責に帰すべき事由により,室の施設,設備又は特定歴史公文書等を破損又は汚損したとき若しくは室の設備又は特定歴史公文書等を紛失したときは,その損害を賠償するものとする。

附 則
 この細則は,平成30年4月1日から施行する。

附 則(平成30年9月28日)
 この細則は,平成30年10月1日から施行する。

附 則(令和3年6月3日)
 この細則は,令和3年6月3日から施行する。

別紙様式

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公文書管理法に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準

平成30年3月30日制定
改正  平成30年9月28日

(趣旨)
第1条 この基準は、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下「法」という。)に基づく利用請求に対して、神戸大学大学文書史料室(以下「大学文書史料室」という。)が利用決定に係る審査を行う際の基本となる事項を定めるものとする。なお、個々の案件に係る具体的な判断は、個別の審査の結果に基づき行うものとする。本基準は、国立公文書館等の基準も踏まえて運用し、随時、適切な見直しを行っていくものとする。

(審査の基本方針)
第2条 特定歴史公文書等について利用請求があった場合には、神戸大学大学文書史料室利用等要項(平成30年3月30日制定。以下「大学文書史料室利用等要項」という。)第11条第1項の規定に基づき、次に掲げる場合を除き、これを利用させなければならない。
 (1) 当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
  イ 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。以下「個人情報」という。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
   ① 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
   ② 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
   ③ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人及び別表第1に掲げる法人をいう。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
【以上、法第16条第1項第2号イ(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第5条第1号)の規定に基づく】
  ロ 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
   ① 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
   ② 独立行政法人等の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
【以上、法第16条第1項第2号ロ(独立行政法人等情報公開法第5条第2号)の規定に基づく】
  ハ 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
   ① 国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ
   ② 犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ
   ③ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
   ④ 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
【以上、法第16条第1項第2号ロ(独立行政法人等情報公開法第5条第4号イからハまで若しくはト)の規定に基づく】
 (2) 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合
 (3) 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくは汚損を生ずるおそれがある場合又は当該原本が現に使用されている場合
2 特定歴史公文書等に記録されている情報が利用制限情報に該当するかどうかの判断は、利用決定等を行う時点における状況を勘案して行うものとする。
3 個人、法人等の権利利益や公共の利益を保護する必要性は、時の経過やそれに伴う社会情勢の変化に伴い、失われることもあり得ることから、審査において「時の経過を考慮する」(大学文書史料室利用等要項第11条第2項)に当たっては、同要項第11条第3項の規定に基づき、利用制限は原則として作成又は取得されてから30年を超えないとする考え方を踏まえるものとし、時の経過を考慮してもなお利用制限すべき情報がある場合に必要最小限の制限を行うものとする。(別添参考資料「30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について」を参照。)
4 利用制限情報の該当性の判断に当たっては、大学文書史料室利用等要項第11条第2項の規定に基づき、特定歴史公文書等に付された意見を参酌しなければならないが、「参酌」とは、移管元部局等の意見を尊重し、利用制限情報の該当性の判断において適切に反映させていくことを意味するものであり、最終的な判断はあくまで大学文書史料室の長に委ねられている。
5 利用決定の判断に当たっては、大学文書史料室利用等要項第14条第1項で定める手続(第三者に対する意見書提出機会の付与をいう。)も活用するものとする。

(個人情報についての判断基準)
第3条 前条第1項第1号イで定める個人情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。以下「個人情報」という。)」とは、個人(死亡した者を含む。)の内心、身体、身分、地位、経歴その他個人に関する一切の事項についての事実、判断、評価等のすべての情報を含むものであり、個人に関連する情報全般を意味する。したがって、個人の属性、人格及び私生活に関する情報に限らず、個人の知的創作物に関する情報、組織体の構成員としての個人の活動に関する情報も含まれる。
   ただし、事業を営む個人の当該事業に関する情報は、前条第1項第1号ロの規定により判断するものとする。
 (2) 特定の個人を識別することができる情報は、通常、特定の個人を識別させる部分(例えば、個人の氏名)とその他の部分(例えば、当該個人の行動の記録)とから成り立っており、その全体が一つの利用制限情報を構成するものとする。
 (3) 「その他の記述等」には、住所、電話番号、役職名、個人別に付された記号番号(学籍番号、職員番号、振込口座番号、試験の受験番号、保険証の記号番号等)等が含まれる。氏名以外の記述等単独では特定の個人を識別することができない場合であっても、当該情報に含まれるいくつかの記述等が組み合わされることにより特定の個人を識別することができる場合は「特定の個人を識別することができる」に該当する。
 (4) 当該情報単独では特定の個人を識別することができないものであっても、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができる情報には、前条第1項第1号イの規定が適用される。照合の対象となる「他の情報」としては、公知の情報、図書館等の公共施設で一般に入手可能な情報など一般人が通常入手し得る情報が含まれる。また、当該個人の近親者、地域住民等であれば保有しているか又は入手可能であると通常考えられる情報も含む。他方、特別の調査をすれば入手し得るかもしれないと考えられる情報については、一般的には、「他の情報」に含まれない。照合の対象となる「他の情報」の範囲については、当該個人情報の性質、内容等に応じ、個別に判断するものとする。
 (5) 厳密には特定の個人を識別することができる情報でない場合であっても、特定の集団に属する者に関する情報を公開すると、当該集団に属する個々人に不利益を及ぼすおそれがある場合には、当該情報の性質、集団の性格、規模等により、個人の権利利益の十全な保護を図る観点から、個人識別性を認めるべき場合があり得ることに留意する。
 (6) 「公にすることにより、なお、個人の権利利益を害するおそれがあるもの」には、匿名の作文、無記名の個人の著作物等、個人の人格と密接に関連するもの及び公にすれば財産権その他の個人の正当な利益を害するおそれがあると認められるものが含まれる。
 (7) 「法令の規定」とは、何人に対しても等しく当該情報を公開させることを定めている規定に限られる。したがって、公開を求める者又は公開を求める理由によって公開を拒否する場合が定められている規定は含まれない。
 (8) 「慣行として」とは、公にすることが慣習として行われていることを意味するが、慣習法としての法規範的な根拠を要するものではなく、事実上の慣習として公にされていること又は公にすることが予定されていることで足りる。
 (9) 「公にされ」とは、当該情報が現に公衆が知り得る状態に置かれていれば足り、現に周知の事実であるかどうかは問わない。ただし、過去に公にされた情報については、時の経過により、利用決定等の時点では「公にされ」に当たらない場合があることに留意する。
 (10) 「公にすることが予定されている情報」とは、将来的に公にする予定(具体的に公表が予定されている場合に限らず、求めがあれば何人にも提供することを予定しているものを含む。)の下に保有されている情報をいう。ある情報と同種の情報が公にされている場合であって、当該情報のみ公にしないとする合理的な理由がない場合等、当該情報の性質上通例公にされるものも含まれる。
 (11) 個人情報を公にすることにより害されるおそれがある当該個人の権利利益よりも、当該情報を公にすることにより人の生命、健康、生活又は財産を保護する必要性が上回ると認められる場合には、当該情報は公開する。現実に、人の生命、健康、生活又は財産に被害が発生している場合に限らず、将来これらが侵害される蓋然性が高い場合も含まれる。
   この比較衡量に当たっては、個人の権利利益には様々なものがあり、また、人の生命、健康、生活又は財産の保護についても、保護すべき権利利益の程度に差があることから、個別の事案に応じた慎重な検討を行うものとする。
 (12) 公務員等に関する情報も個人情報に含まれるが、このうち、公務員等の職務遂行に係る情報については、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分については、個人情報としては利用制限情報に当たらない。
   なお、公務員等の職務遂行に係る情報が職務遂行の相手方等公務員等以外の個人情報でもある場合には、各個人ごとに利用制限情報該当性を判断する。すなわち、当該公務員等にとっての利用制限情報該当性と他の個人にとっての利用制限情報該当性とを別個に検討し、そのいずれかに該当すれば、当該部分は利用を制限するものとする。
 (13) 「公務員等」とは、広く公務遂行を担任する者を含むものであり、一般職か特別職か、常勤か非常勤かを問わず、国及び地方公共団体の職員のほか、国務大臣、国会議員、裁判官等を含む。また、退職した者であっても、公務員等であった当時の情報については、当該規定は適用される。さらに、独立行政法人等及び地方独立行政法人の役員及び職員を含む。
 (14) 「職務の遂行に係る情報」とは、公務員等が、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の一員として、その担任する職務を遂行する場合における当該活動についての情報を意味する。例えば、行政処分その他の公権力の行使に係る情報、職務としての会議への出席、発言その他の事実行為に係る情報等がこれに含まれる。
   ただし、ただし書③の規定は、具体的な職務の遂行との直接の関連を有する情報を対象とするものであるので、公務員等に関する情報であっても、役員及び職員の人事管理上保有する健康情報、休暇情報等は、「職務の遂行に係る情報」には含まれない。
 (15) 公務員の職務遂行に係る情報に含まれる当該公務員の氏名については、「各行政機関における公務員の氏名の取扱いについて」(平成17年8月3日情報公開に関する連絡会議申合せ)により、特段の支障の生じるおそれがある場合(1. 氏名を公にすることにより、法第16条第1項第2号に掲げる利用制限情報を公にすることとなるような場合、2. 氏名を公にすることにより、個人の権利利益を害することとなるような場合をいう。)を除き、公にするものとされている。このため、行政機関が公にするものとした職務遂行に係る公務員の氏名については、「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」(ただし書①)に該当することに留意する。
   なお、人事異動の官報への掲載その他行政機関又は独立行政法人等により職名と氏名とを公表する慣行がある場合、行政機関又は独立行政法人等により作成され、又は、行政機関又は独立行政法人等が公にする意思をもって(又は公にされることを前提に)提供した情報を基に作成され、現に一般に販売されている職員録に職と氏名とが掲載されている場合にも、「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」(ただし書①)に該当する。

(法人等又は事業を営む個人の当該事業に関する情報についての判断基準)
第4条 第2条第1項第1号ロで定める法人等又は事業を営む個人の当該事業に関する情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「法人その他の団体」には、株式会社等の商法(明治32年法律第48号)上の会社、一般社団・財団法人、学校法人、宗教法人等の民間の法人のほか、政治団体、外国法人、権利能力なき社団等も含まれる。ただし、国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人は、本規定の対象から除かれており、その事務又は事業に係る情報は、第2条第1項第1号ハの規定に基づき判断するものとする。
 (2) 「法人その他の団体に関する情報」とは、法人等の組織及び事業に関する情報のほか、法人等の権利利益に関する情報等法人等と何らかの関連性を有する情報を意味する。なお、法人等の構成員に関する情報は、法人等に関する情報であると同時に、構成員の個人情報でもあり、第2条第1項第1号イの利用制限情報に当たるかどうかも検討する必要がある。
 (3) 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は、事業に関する情報であるので、法人等に関する情報と同様の要件により、事業を営む上での正当な利益等について利用制限情報該当性を判断するものとする。
 (4) 法人又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を公にすることにより保護される人の生命、健康、生活又は財産の利益と、これを公にしないことにより保護される法人等又は事業を営む個人の権利利益とを比較衡量し、前者の利益を保護することの必要性が上回ると認められる場合は、当該情報は第2条第1項第1号ロの利用制限情報に該当しない。現実に人の生命、健康、生活又は財産に被害が発生している場合に限らず、将来これらが侵害される蓋然性が高い場合も含まれる。
   なお、法人等又は事業を営む個人の事業活動と人の生命、健康、生活又は財産に対する危害等との明確な因果関係が確認されなくても、現実に人の生命、健康、生活又は財産に対する被害等の発生が予想される場合もあり得ることに留意する。
 (5) 「権利」とは、信教の自由、集会・結社の自由、学問の自由、財産権等法的保護に値する権利一切を指す。
 (6) 「競争上の地位」とは、法人等又は事業を営む個人の公正な競争関係における地位をいう。
 (7) 「その他正当な利益」には、ノウハウ、信用等法人等又は事業を営む個人の運営上の地位が広く含まれる。
 (8) 権利、競争上の地位その他正当な利益を「害するおそれ」があるかどうかの判断に当たっては、法人等又は事業を営む個人には様々な種類、性格のものがあり、その権利利益にも様々のものがあるので、法人等又は事業を営む個人の性格、権利利益の内容及び性質等に応じ、当該法人等又は事業を営む個人の憲法上の権利(信教の自由、学問の自由等)の保護の必要性、当該法人等又は事業を営む個人と行政との関係等を十分考慮して適切に判断する必要があることに留意する。
   なお、この「おそれ」の判断に当たっては、単なる確率的な可能性ではなく、法的保護に値する蓋然性が求められる。
 (9) 法人等又は事業を営む個人から公にしないとの条件の下に任意に提供された情報(いわゆる任意提供情報)については、情報提供者の信頼と期待を基本的に保護するため、当該条件が合理的なものと認められる限り利用制限情報とする。
   なお、独立行政法人等の情報収集能力の保護は、第2条第1項第1号ハ③等の規定によって判断するものとする。
 (10) 「独立行政法人等の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたもの」には、独立行政法人等の要請を受けずに、法人等又は事業を営む個人から提供された情報は含まれない。ただし、独立行政法人等の要請を受けずに法人等又は事業を営む個人から情報の提供を申し出た場合であっても、提供に先立ち、法人等又は事業を営む個人から非公開の条件が提示され、独立行政法人等が合理的理由があるとしてこれを受諾した上で提供を受けた場合は含まれる。
 (11) 「独立行政法人等の要請」には、法令に基づく報告又は提出の命令は含まれないが、独立行政法人等の長が報告徴収権限を有する場合であっても、当該権限を行使することなく、任意に提出を求めた場合は含まれる。
 (12) 「公にしないとの条件」とは、情報の提供を受けた行政機関又は独立行政法人等が第三者に対して当該情報を提供しないとの条件を意味する。また、特定の行政目的以外の目的には使用しないとの条件も含まれる。
 (13) 「条件」については、行政機関又は独立行政法人等の側から公にしないとの条件で情報の提供を申し入れた場合も、法人等又は事業を営む個人の側から公にしないとの条件を付すことを申し出た場合も含まれるが、いずれの場合も双方の合意により成立するものである。また、条件を設ける方法としては、黙示的なものも含まれる。
 (14) 「法人等又は個人における通例として公にしないこととされているもの」とは、当該法人等又は個人の個別具体的な事情ではなく、当該法人等又は個人が属する業界における通常の取扱いを意味し、当該法人等において公にしていないことだけでは足りない。
 (15) 公にしないとの条件を付することの合理性の判断に当たっては、情報の性質に応じ、当該情報の提供当時の諸般の事情を考慮して判断するが、必要に応じ、その後の事情の変化も考慮する。公にしないとの条件が付されていても、現に当該情報が公にされている場合には、本規定には該当しない。

(国の安全等に関する情報についての判断基準)
第5条 第2条第1項第1号ハ①で定める国の安全等に関する情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「国の安全」とは、国家の構成要素である国土、国民及び統治体制が害されることなく平和で平穏な状態に保たれていること、すなわち、国としての基本的な秩序が平穏に維持されている状態をいう。具体的には、直接侵略及び間接侵略に対し、独立と平和が守られていること、国民の生命が国外からの脅威等から保護されていること、国の存立基盤としての基本的な政治方式及び経済・社会秩序の安定が保たれていることなどが考えられる。
 (2) 「国の安全が害されるおそれ」とは、前号の国の重大な利益に対する侵害のおそれ(当該重大な利益を維持するための手段の有効性を阻害され、国の安全が害されるおそれがあると考えられる場合を含む。)をいう。
 (3)  「他国若しくは国際機関」(以下「他国等」という。)には、我が国が承認していない地域、政府機関その他これに準ずるもの(各国の中央銀行等)、外国の地方政府又は国際会議その他国際協調の枠組みに係る組織等(アジア太平洋経済協力会議、国際刑事警察機構等)の事務局等を含む。
 (4) 「他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ」とは、他国等との間で、相互の信頼に基づき保たれている正常な関係に支障を及ぼすおそれをいう。例えば、公にすることにより、他国等との取決め又は国際慣行に反することとなるもの、他国等の意思に一方的に反することとなるもの、他国等に不当に不利益を与えることとなるもの等、我が国との関係に悪影響を及ぼすおそれがある情報が該当する。
 (5) 「他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ」とは、他国等との現在進行中の又は将来予想される交渉において、我が国が望む交渉成果が得られなくなる、我が国の交渉上の地位が低下する等のおそれをいう。例えば、国際会議における対処方針等交渉(過去のものを含む。)に関する情報であって、公にすることにより、現在進行中の又は将来予想される交渉に関して我が国が採ろうとしている立場が明らかにされ、又は具体的に推測されることになり、交渉上の不利益を被るおそれがある情報が該当する。

(公共の安全等に関する情報についての判断基準)
第6条 第2条第1項第1号ハ②で定める公共の安全等に関する情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「犯罪の予防」とは、犯罪の発生を未然に防止することをいう。したがって、国民の防犯意識の啓発、防犯資機材の普及等、一般に公にしても犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を容易にするおそれがない防犯活動に関する情報は、含まれない。
 (2) 犯罪の「鎮圧」とは、犯罪が正に発生しようとするのを未然に防止し、又は犯罪が発生した後において、その拡大を防止し、若しくは終息させることをいう。
 (3) 犯罪の「捜査」とは、捜査機関が犯罪があると思料するときに、公訴の提起(検察官が裁判所に対し、特定の刑事事件について審判を求める意思表示をすることを内容とする訴訟行為をいう。)等のために犯人及び証拠を発見、収集又は保全することをいう。
 (4) 「公共の安全と秩序の維持」とは、犯罪の予防、鎮圧又は捜査に代表される刑事法の執行を中心としたものを意味する。刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)以外の特別法により、臨検、捜索、差押え、告発等が規定され、犯罪の予防・捜査とも関連し、刑事司法手続に準ずるものと考えられる犯則事件の調査、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)違反の調査等や、犯罪の予防・捜査に密接に関連する破壊的団体(無差別大量殺人行為を行った団体を含む。)の規制、暴力団員による不当な行為の防止、つきまとい等の規制、強制退去手続に関する情報であって、公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるものは、本規定に含まれる。
   また、公にすることにより、テロ等の人の生命、身体、財産等への不法な侵害や、特定の建造物又はシステムへの不法な侵入又は破壊を招くおそれがあるなど、犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を容易にするおそれがある情報及び被疑者又は被告人の留置又は勾留に関する施設保安に支障を生ずるおそれのある情報も、本規定に含まれる。
 (5) 風俗営業等の許可、伝染病予防、食品、環境、薬事等の衛生監視、建築規制、災害警備等の一般に公にしても犯罪の予防、鎮圧等に支障が生じるおそれのない行政警察活動に関する情報については、第2条第1項第1号ハ③の規定により判断するものとする。

(監査、検査等に関する情報についての判断基準)
第7条 第2条第1項第1号ハ③で定める監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関する情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「監査」とは、主として監察的見地から、事務又は事業の執行又は財産の状況の正否を調べることをいう。
 (2) 「検査」とは、法令の執行確保、会計経理の適正確保、物資の規格、等級の証明等のために帳簿書類その他の物件等を調べることをいう。
 (3) 「取締り」とは、行政上の目的による一定の行為の禁止又は制限について適法又は適正な状態を確保することをいう。
 (4) 「試験」とは、人の知識、能力等又は物の性能等を試すことをいう。
 (5) 「租税の賦課若しくは徴収」とは、国又は地方公共団体が、公租公課を特定の人に割り当てて負担させること又は租税その他の収入を取ることをいう。
 (6) 「監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務」は、いずれも事実を正確に把握し、その事実に基づいて評価又は判断を加えて、一定の決定を伴うことがあるものであるが、当該事務に関する情報の中には、例えば、監査等の対象、実施時期、調査事項等の詳細な情報、試験問題等のように、事前に公にすると、適正かつ公正な評価又は判断の前提となる事実の把握が困難となるもの、行政客体における法令違反行為又は法令違反に至らないまでも妥当性を欠く行為を助長し、又はこれらの行為を巧妙に行うことにより隠蔽をすることを容易にするおそれがあるものがあり、このような情報は、利用を制限するものとする。
 (7) 監査等の終了後であっても、例えば、違反事例等の詳細を公にすることにより、他の行政客体に法規制を免れる方法を示唆することになるものは、本規定に該当する。

(独立行政法人等その他の企業経営又は地方独立行政法人の事業に関する情報についての判断基準)
第8条 第2条第1項第1号ハ④で定める独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関する情報についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業」とは、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第2条の適用を受ける企業をいう。
 (2) 「独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業」については、企業経営という事業の性質上、その正当な利益を保護する必要があり、これを害するおそれがある情報は利用を制限するものとする。
   ただし、「企業経営上の正当な利益」の内容については、経営主体、事業の性格及び内容等に応じて判断する必要があり、その範囲は、第2条第1項第1号ロで定める法人等に関する情報と比べて、より狭いものとなる場合があり得る。

(寄贈又は寄託されたものの利用制限に関する判断基準)
第9条 大学文書史料室が法人等又は個人から寄贈又は寄託を受ける場合には、寄贈者又は寄託者の意向を最大限に尊重することとし、利用の制限についても特段の配慮を行うこととする。ただし、第2条第1項第2号に規定する「一定の期間」は、公にすると何らかの支障を生ずるおそれがある有期の期間をいい、公にしないことを無期限に約束するものではない。

(原本の利用制限に関する判断基準)
第10条 第2条第1項第3号で定める特定歴史公文書等の原本の利用制限についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1) 「特定歴史公文書等の原本」とは、受入れから、保存に必要な措置、目録の作成及び排架を経て、当該特定歴史公文書等を一般の利用に供することを開始した段階において記録されていた情報、材質、形態により原秩序を構成するものをいう。
 (2) 「原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合」とは、水濡れ等による固着、虫損、酸性劣化、変色、退色その他の要因により、通常の利用に供した場合、当該特定歴史公文書等に記録されていた情報、材質、形態についてその原秩序の維持に支障が生じる可能性がある場合をいう。
 (3) 合理的な費用及び時間で原本の修復を行うことが可能である場合は、利用の制限を行なわず、適切な期間をおいて利用を実施するものとする。
 (4) 原本を通常の利用に供することにより、法令の規定による管理責務を遂行することに困難を生じる蓋然性が高いもの、例えば国の重要文化財に指定されているもの及びそれに準じるものについては、その原本の利用を制限するものとする。
 (5) 「原本が現に使用されている場合」とは、利用請求に係る当該特定歴史公文書等の原本が、劣化防止など保存のための措置、代替物の作成、展示(他機関への貸出しを含む。)、他の利用請求者による利用等の合理的な理由により使用されており、直ちに当該利用請求に応じることができない場合をいう。

(部分利用に関する判断基準)
第11条 大学文書史料室利用等要項第12条第1項で定める部分利用についての判断基準は、次のとおりとする。
 (1)  当該特定歴史公文書等のどの部分に利用制限情報が記載されているかという記載部分の区分が困難な場合だけではなく、区分は容易であるがその部分の分離が技術的に困難な場合も、部分利用を行わないことができる。例えば、文章として記録されている内容そのものには利用制限情報は含まれないが、特徴のある筆跡により特定の個人を識別することができる場合には、識別性のある部分を区分して除くことは困難であるため、部分利用を行わないことができる。また、録音されている発言内容自体には利用制限情報が含まれていないとしても声により特定の個人を識別できる場合も同様である。
 (2) 「区分」とは、利用制限情報が記録されている部分とそれ以外の部分とを概念上区分けすることをいう。
 (3) 「除く」とは、利用制限情報が記録されている部分を、その内容が分からないように被覆、複写物の黒塗り等を行い、当該内容がわからないようにすることをいう。
 (4)  利用制限情報が記録されている部分を除くことは、複写機で作成したその複写物に墨を塗り再複写するなどして行うことができ、一般的には容易であると考えられる。しかし、特定歴史公文書等については、法第15条において、永久に保存することが求められており、その利用についても、当該文書の永久保存を確保する範囲内にとどまると考えられる。このため、利用制限に係る部分を黒塗りするために原本を複写することを原則とすれば、特定歴史公文書等が重要文化財に当たる場合や劣化が進んでいる場合は、当該文書を破損させる危険性を防ぐため、本項の「容易」の判断に当たっては、個々の事案ごとに慎重に検討する必要がある。
   また、録音、録画、磁気ディスクに記録されたデータベース等の電磁的記録について、利用制限に係る部分とそれ以外の部分の分離が既存のプログラムでは行えない場合は、「容易に区分して除くことができない場合」に該当する。
 (5)  部分的に利用させるに当たり、利用制限に係る部分を具体的にどのように除くかの方法、すなわち、複写物を作成して利用制限に係る部分を黒く塗るか、ページ全体を被覆するかの方法の選択は、利用制限情報を利用させる結果とならない範囲内において、当該方法を講ずることの容易さ等を考慮して判断するものとする。
 (6) 「有意の情報が記録されていないと認められるとき」とは、説明責務が全うされるようにするとの観点から、利用制限情報が記録されている部分を除いた残りの部分に記載されている情報の内容が、無意味な文字、数字等の羅列となる場合等利用に供しても意味がないと認められる場合をいう。
 (7) 「有意」性の判断に当たっては、同時に利用に供される他の情報があれば、これも併せて判断するものとする。
 (8) 「有意」性の判断は、利用請求者が知りたいと考える事柄との関連によって判断すべきものではなく、個々の請求者の意図によらず、客観的に決めるものとする。

(本人情報の取扱い)
第12条 個人情報は第2条第1項第1号イで定める利用制限情報に該当するが、当該情報の本人が利用請求をした場合については、その例外として、大学文書史料室利用等要項第13条の規定に基づき取り扱うものとする。なお、当該情報が、本人に係る個人情報であることに加え、本人以外の個人(第三者)に係る個人情報でもある場合は、第3条の規定により判断するものとする。

(権利の濫用に関する判断基準)
第13条 利用請求者の権利の濫用に当たるか否かの判断は、利用請求の態様、利用請求に応じた場合の大学文書史料室の業務への支障及び国民一般の被る不利益等を勘案し、社会通念上妥当と認められる範囲を超えるものであるか否かを個別に判断するものとする。大学文書史料室の事務を混乱又は停滞させることを目的とする等利用請求権の本来の目的を著しく逸脱する利用請求は、権利の濫用に当たるものとする。

附 則
 この基準は,平成30年4月1日から施行する。

附 則(平成30年9月28日)
 この基準は,平成30年10月1日から施行する。

(別添参考)

  •  30年を経過した特定歴史公文書等に記録されている個人情報について [pdf形式]

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